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鎌倉あじさい
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昨日、雨を降らせた雲が、まだ青黒く残っている。予報によると、午後三時ごろから雨となっている。
午後一時、江ノ電の極楽寺駅に集合。総勢17名のカメさん会である。
電車が駅に着く度に大勢の人達が降りてくる。
最初に成就院に向かう。駅から歩いて五分程の所である。
成就院から由が浜に向かって、長い下りの坂道が伸びている。
両側に紫陽花が咲いており、綺麗な眺めである。
坂の入り口では大勢の人が写真撮影をしていて混雑している。
『男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋』の中で、渥美清といしだあゆみが待ち合わせをした場所である。
通常の寅さん映画とは異なり、マドンナの方が積極的だった話だ。
二人が出会ってから数ヵ月後、いしだあゆみが柴又にいる寅の所に訪ねてくる。
<鎌倉のあじさい寺で、日曜の午後一時、待っています>と書いたメモを渡しにである。
メモを読んだ寅の喜びは絶頂を極める。
日曜日が来るのを楽しみに待っていたのだが、いざ当日になると怖気づいて、満男を連れてあじさい寺に向かってしまった。
それが元で、いつものパターンに舞い戻ってしまう。
坂道を降りて、御霊神社に向かう。神社のすぐ前を江ノ電が走っている。
ここでも大勢の人が電車を撮ろうと待ち構えていた。境内の裏には小径があって沢山の種類の紫陽花が植わっていた。降り始めた雨の中、撮影をする。
長谷寺は最後にして、光則寺に向かう。
庭には色々な種類の花が鉢植えにして並んでいる。よく手入れがされていて綺麗である。
雨が強くなってきた。
足早に長谷寺に向かうと、1時間待ちの立て札が入口に立ってある。
入場して、しばらく様子を窺っていたのだが、大勢の人が辛抱強く待っており、待ち時間は長くなるばかりで早まりそうもない。
参加者の人達と相談の上、今回は諦めることにした。
ところで、私は三年間、北鎌倉にある私立高校に通っていた。
卒業してから一度も訪れた記憶がないのだ。
私の家から鎌倉まで、電車を乗り継いでも三十分位で着いてしまう。
極楽寺に行く前に母校を覗いてみることにした。
先輩にサザンのKがいた。勿論、話した事はない。
入学した年の文化祭。
薄汚れた教室の中、机、椅子を黒板の方に寄せてステージの代わりにして、Kは演奏していた。
ギター、ベース、ドラムの三人編成のバンドだった。
ビートルズの『サムシング』をKが歌っていた。ギターもKが弾いていた。
ギターソロになった。ミスったのだ。
教室を出て、学校の隣にある売店に行き、同級生とコーラーで乾杯をした。
淳之介
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